・再話:松谷みよ子
・編集:園 昌彦/鈴木麻紀子
・ブックデザイン:岡本明
童心社 2006年
「かさじぞう」は、雑誌を含めて幾度か描いたことがありました。
以前に描いたことのあるお話しに、また絵をつけることに必要なことがあります。
それは前に描ききれなかった新たなイメージを持つことなのです。
松谷さんからの伝言は「かさじぞうの決定版を」でした。
その言葉と再話の深い視点が、その動機になってくれました。
実際に六地蔵を訪ねてその意味を知り得たことも、作画の際に心強いものになりました。
時代背景を江戸末期にしています。
どことなく「ごんぎつね」を思い出す気もしますが、そう思うと「ごん」を描いたころと差ほど進歩していないなあ、などとも思ったりします。 この絵本は、いつもの色鉛筆ではなく、画面の奥行きの表現のために、ほとんどオイルパステルを使って描きました。深々と降る雪を思う存分描いた絵本です。