・作:あまんきみこ
・担当編集者:松永緑/上野萌
・アートディレクション:楢原直子
・装丁:名久井直子
ポプラ社 2022年
1968年の刊行以来、50年以上読み継がれるロングセラー「車の色は空のいろ」シリーズは、あまんきみこさんの代表作のひとつに数えられます。今回新作「ゆめでもいい」を加えて新装版4巻が出版されました。
長く挿絵を担当されていた北田卓史氏に代わり黒井が担当することになりました。
その絵を知っておりましたし、大先輩の後を描くにあたって全4巻の絵の量といい、一度お断りするほどの躊躇がありました。編集部の皆さんの熱意と、絵ができるたびにお電話をくださったあまんさんの励ましでなんとか最後まで描きあげることができました。
1年に及ぶ制作期間でしたが、不思議なことにあまんさんの童話は私の心を浄化するのか、描いてる絵がどんどん素朴で善良になっていきました。主人公の松井さんをかっこいいタクシードライバーに描きたかったのですが、人の良さだけが際立っていきました。このシリーズのお話は喜びも悲しみもそして束の間の出会いも全てが心に染み込み、凪いでいきました。