長い間原稿をお預かりしたまま描き出せないでいた絵本です。
雪の夜、木の洞に眠るこすずめとかあさんすずめ、かすかな雪明かり、難しい表現でした。
描けないまま年月が過ぎて、今年の春の風の強い日のこと。
画室の扉の前に葉肉のとれた葉脈だけになった葉が飛んできた。
ついでにムクドリのか、フワフワの羽が一枚と。大切に部屋の置いておいた。
しばらくしてハッとした。 それからイメージが動き出しました。
「こすずめと ゆき」
作/深山さくら 2018年10月発行 佼成出版社 担当編集:土井和子 ブックデザイン:岡本明
画材:オイルパステル 用紙:セザンヌ
長い間原稿をお預かりしたまま描き出せないでいた絵本です。
雪の夜、木の洞に眠るこすずめとかあさんすずめ、かすかな雪明かり、難しい表現でした。
描けないまま年月が過ぎて、今年の春の風の強い日のこと。
画室の扉の前に葉肉のとれた葉脈だけになった葉が飛んできた。
ついでにムクドリのか、フワフワの羽が一枚と。大切に部屋の置いておいた。
しばらくしてハッとした。 それからイメージが動き出しました。
冬景色
私は新潟に生まれ育ちました。大学を卒業するまで暮らしていましたので、冬景色はふる里の景色と言えます。
雪が降る前の晩は、いつもと違って近所の音がなんだか小さくなります。
夜の空はどことなく赤い色があり「あ、雪が降るかも。」と思ったものです。
翌朝目覚めると布団の外は冷たく物音がしません。カーテンの隅から細く白っぽい光が眩しい。
「ほーら、やっぱり雪がつもってる。」と自分に呟きました。
急いで着替えて外に出ると何もかも真っ白です。屋根はもちろん電線や、落葉した裸の枝にも雪がフワリと乗っかっている。
雪に歓声をあげる子どもたちの声が遠くに聞こえる。 灰色の空に降ってくる白い雪を目で追っているとめまいがしそうになる。
地上の全てを柔らかいベールのようにおおい隠し、青い影がたおやかな曲線を作り出している。 私の冬景色は日本海側の優しい雪の風景です。