冬の終わりと初の境目には明確な兆しが現れます。
高原にはまずモノトーンの景色に白い花、モクレンが咲きます。
程なくして山桜が淡い彩を添えはじめます。するとそれまで頑なだった木々の
小枝が少しずつ柔らかな膨らみを感じようになります。
赤茶色から黄緑色にゆっくりゆっくり膨らんでいきます。
いつの間にか野原は緑になっていてタンポポがあちこちに黄色を散らしていきます。
ここまでくれば春満開。
少し遠くから山々を見ると、裾野の緑から山頂にかけて、若竹色から茶色へと早春のグラデーションが見えてきます。
新しい春を迎えるたびに、再び感動を感じて描いています。
黒井健